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THE MAZE

""Wi Need Fi Know""
Text by Reiko NAGASE SMITH
　
カリブ諸国のトリニダード＆トバゴやセント・キッツ、アンティガをはじめ、アメリカ、果てはヨーロッパまで入国禁止やヴィザ取り消しとなり、各国でアンウォンテッドとなったカーテルさま。ジャマイカでは最も重要な人としてウォンテッドになりました。ワールド・カップで湧く6月の出来事です。Dudus逮捕のほとぼりも少しはさめたころのこと。警察が、重要参考人5人の名前を挙げ出頭命令をだし、レッド・カーペット扱いで待ち構えたなかに、カーテルさまの名前がはいっていたのです。Why dem call yuh name？　DJ、リリシスト、ギャングスターにポルノスター、肩書きの多いカーテルさま、Addi get serious。およびがかかった3日後に、「Mi gone een now」とブラックベリー・メッセンジャーに残し、有名弁護士につきそわれて出頭したカーテル。ポートモアで犯罪を起こすギャングに関しての取調べだという話だが、理由は公表されていない。
　
「俺はここんとこ2年以上、ポートモアに居やしないんだぜ。6年以上も住んでるこの北セント・アンドリュー地区（キングストン市内）からお呼びがかかるならともかく、ポートモア警察署が俺様に何の用があるってんだ」
　
当然、イヴェント出演も海外公演もキャンセルされ、カーテルの音楽活動はストップしたままの夏である。拘束予定は当初24時間という話だったのに、５日間引き延ばされ、さらに30日間もの拘束延長へ。警察は未だに拘束の目的を明らかにしていません。7月下旬の「サンフェス」に出演予定のカーテル。間に合うかどうかもきわどいどころ。
　
一方、2009年の12月に、米国フロリダ州でコカイン所持と取引の疑いで逮捕され、拘留されているブジュ・バントンの裁判は延びに延び、9月の初めの予定となっています。
　
ブジュは誕生日をアメリカで拘置されたまま過ごすことになってしまったのだが、彼の誕生日に合わせて、世界中のブジュ・ファンたちのあいだで、「ブジュ・バントン・レター・ライティング・キャンペーン」が起こった。ブジュの保釈が認められなかったことにもう一度嘆願をする内容で、アメリカ連邦政府の司法長官エリック・ホルダー氏あてに5万通のレターを送ることを目標としてはじめられたキャンペーン。
　ブジュのアルバムは9月下旬にブジュ自身のガーガメル・レーベルから発売予定だそう。
　
今年も無事開催が決定されたモンティゴ・ベイの「サンフェス」です。驚くなかれ、レッド・ストライプがメイン・スポンサーの座にもどったのだ。2008年に、ダンスホールの暴力的でネガティブなトレンドに賛同しないスタンスをとって、国内のダンスホール系ステージ・ショーやイヴェントのスポンサーを降りたレッド・ストライプだったのだけど。レゲエ、ダンスホール・イヴェントのスポンサーをしなくても、レッド・ストライプはジャマイカのメイン・ストリームであるにちがいない、と誰もが思っただろうけど、さて。ジャマイカには、長いことレッド・ストライプしかなかったからね。それか、ハイネケンかギネスかドラゴン、これらは全部同じ会社D&Gのプロダクツだって誰もが知ってることだし、D&Gはビール業界では独占企業さ。ところが、レッド・ブル、マグナム、レッド・レーベル・ワイン、BOOMなどトニック・ワイン系のドリンクが人気急上昇。ルーツ・ドリンク、エナジー・ドリンクなどがビールに取って代わり、独占市場状態だったヤードマンの手から、気がついたらレッド・ストライプが離れてしまっていたことは確か。それじゃなくても酒税の値上げで苦しいアルコール飲料業界だもの。そんな中、レッド・ストライプ・ボールドなんて新商品が出たけれど、ほとんどの人が試さないうちにどうも製造中止になりそうな人気のなさである。ジャマイカも、ひとつの商品がマーケットを独占する時代は終わったようね。
　
ということで、「レッド･ストライプ･レゲエ･サンフェス」。「リッスン・レゲエ、ドリンク・レッドストライプ」、のよき時代がもどるかな。Ah what so?
　
この夏、人気頂点のふたりがジェイル。ニンジャもジェイル。キラー様は、傷害罪は無罪放免となったものの、10月には不法銃の裁判が控えている身。これらの裁判、どう結論が出されるか、Wi need fi know。
　
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